問題番号 : 96F37

本問は,96F37~38の連問の一部です。

18歳の男子。昨夜から喘鳴を伴う呼吸困難があり,今朝から意識混濁が出現したため救急車で搬入された。
現  症:意識JCS 20。体温37.6℃。呼吸数30/分。脈拍140/分,整。血圧130/92mmHg。努力性胸式呼吸で呼気の延長が著明である。口唇と爪床とにチアノーゼを認める。貧血と黄疸とはない。肺野は呼気時に喘鳴がある。心音は肺動脈領域でⅡ音の亢進が認められる。腹部は平坦,軟で圧痛はない。
検査所見:血液所見:赤血球518万,Hb 16.3g/dL,Ht 49%,白血球13,600,血小板33万。血清生化学所見:血糖138mg/dL,総タンパク7.5g/dL,クレアチニン1.0mg/dL,総ビリルビン1.0mg/dL,AST 35U/L,ALT 31U/L,LDH 183U/L(基準176~353),CK 70U/L(基準10~40)。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.00,PaO2 37Torr,PaCO2 67Torr,HCO3 17mEq/L,BE-7.7mEq/L。胸部エックス線写真で心拡大はない。
この患者にとらせるべき体位はどれか。

正解
d
国試正答率
90%

Assessment
若年者で喘鳴を伴う早朝の呼吸困難,努力性胸式呼吸で呼気の

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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