問題番号 : 96F27

78歳の男性。上腹部から前胸部にかけての重圧感を訴えて,無床診療所を独歩で受診した。同症状は6時間前から出現し,冷汗を伴い,和らぐことなく続いた。胸部の聴診ではcoarse crackles〈水泡音〉を聴取する。心電図で,Ⅰ,aVL及びV4〜6誘導にSTの上昇を認めたため,直ちに救急処置を行った。
引き続いて行う対応で最も緊急度の低いのはどれか。

正解
d
国試正答率
90%

Assessment
心電図より広範囲の心筋梗塞であること(おそらく左主幹部病

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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