問題番号 : 96D59

8か月の乳児。3週前から咳が出現し,3日前から発熱があり来院した。同居している祖父が数か月以上前からよく咳込んでいた。三種混合とポリオワクチンとは接種済みであるがBCGは未接種である。体温38.4℃。呼吸数34/分。脈拍140/分,整。肺野にラ音は聴取されない。頸部リンパ節を触知する。肝を3cm,脾を2cm弾性軟に触知する。血液所見:赤沈41mm/1時間,赤血球480万,Hb 13.2g/dL,白血球16,300(桿状核好中球4%,分葉核好中球24%,好酸球4%,好塩基球1%,単球11%,リンパ球56%)。CRP 3.8mg/dL。胸部エックス線写真を示す。
最も考えられるのはどれか。

正解
a
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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