問題番号 : 96D21

54歳の男性。今朝から意識レベルが低下し,言葉がもつれるようになり来院した。10年前に健康診断で高血圧と言われたが放置していた。1年前に血圧190/122mmHgと尿タンパク2+とを指摘された。4か月前から時々鼻出血が出現していた。最近,頭痛と全身倦怠感とが出現し次第に増悪してきた。体温36.4℃。脈拍86/分,整。血圧260/180mmHg。項部硬直はない。心尖部にⅣ音を聴取する。腹部に血管雑音はない。下腿に浮腫を認めない。尿所見:タンパク3+,糖(±),沈渣に赤血球70~80/1視野,顆粒円柱10~20/1視野。血清生化学所見:尿素窒素72mg/dL,クレアチニン4.2mg/dL。心電図(A)と眼底写真(B)とを別に示す。
考えられる病態はどれか。3つ選べ

正解
b, d, e
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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