問題番号 : 96D17

56歳の女性。胃癌のため胃全摘術を受けた。術後3日目にベッドから立ち上がった際,突然の胸痛と呼吸困難とをきたした。身長155cm,体重63kg。体温37.0℃。呼吸数26/分。脈拍116/分,整。血圧88/60mmHg。心基部でⅡ音が亢進し,呼吸音の異常は認めない。血液所見:赤血球350万,Hb 10.5g/dL,白血球11,000,FDP 15μg/mL(基準10以下)。血清生化学所見:AST 36U/L,ALT 30U/L,LDH 420U/L(基準176~353),CK 32U/L(基準10~40)。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.48,PaO2 58Torr,PaCO2 33Torr。心電図は右心負荷所見を示す。胸部エックス線写真に異常を認めない。
この病態に関連するのはどれか。2つ選べ

正解
a, e
国試正答率
90%

Assessment
術後3日目にベッドから立ち上がった際,突然の胸痛を示して

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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