問題番号 : 96D16

35歳の女性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。2年前から咳に気付き,最近息切れが増強している。身長154cm,体重48kg。脈拍82/分,整。心雑音はない。下肺野にfine crackles〈捻髪音〉を聴取する。血液所見:赤血球330万,Hb 11.0g/dL,白血球6,300。血清生化学所見:総タンパク6.4g/dL,アルブミン4.2g/dL,LDH 440U/L(基準176~353)。免疫学所見:CRP 0.2mg/dL,リウマトイド因子陰性,抗核抗体陰性。胸部エックス線写真(A),胸部CT(B)及び開胸肺生検組織のH-E染色標本(C)を別に示す。
この疾患で誤っているのはどれか。

正解
d
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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