本問は,96C10~12の連問の一部です。
52歳の女性。黄疸を主訴に来院した。
現 病 歴:15年前に健康診断で肝機能の異常を指摘された。7年前から全身のそう痒感が出現し,2年前から黄疸が出現した。1年前には吐血があり,食道静脈瘤に対して硬化療法を受けた。最近になり黄疸が増強したため,紹介され入院した。
既往歴・家族歴:特記すべきことはない。
現 症:身長150cm,体重52kg。脈拍64/分,整。血圧108/58mmHg。皮膚と眼球結膜とに黄疸を認める。腹水と下腿前面の浮腫とを認める。
検査所見:尿所見:タンパク(-),糖(-)。血液所見:赤血球369万,Hb 11.8g/dL,Ht 36%,白血球3,800,血小板8万,プロトロンビン時間〈PT〉35%(基準80~120)。血清生化学所見:総タンパク7.2g/dL,アルブミン2.8g/dL,IgA 630mg/dL(基準110~410),IgG 3,178mg/dL(基準960~1,960),IgM 641mg/dL(基準65~350),クレアチニン0.6mg/dL,総ビリルビン20.7mg/dL,直接ビリルビン18.5mg/dL,AST 123U/L,ALT 75U/L,ALP 512U/L(基準260以下),γ-GTP 112U/L(基準8~50),コリンエステラーゼ106U/L(基準400~800),Na 135mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 100mEq/L。免疫学所見:HIV抗体陰性,HBs抗原・抗体陰性,HCV抗体陰性,抗ミトコンドリア抗体陽性,AFP 2ng/mL(基準20以下)。
この病態でみられる身体所見はどれか。2つ選べ。