問題番号 : 96C7

本問は,96C7~9の連問の一部です。

36歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。
現 病 歴:5年前に心電図で左室肥大を指摘されたが,無症状のため放置していた。3か月前から労作時の息切れを自覚していたが,最近,夜間に呼吸困難発作が生じるようになった。
既 往 歴:特記すべきことはない。
現  症:身長161cm,体重56kg。呼吸数16/分。脈拍86/分,整。血圧104/72mmHg。頸静脈は軽度怒張し,胸部では心尖拍動が左方に偏位し,その部位にⅢ音と汎収縮期雑音とを聴取する。呼吸音に異常はない。肝を右肋骨弓下に2cm触知し,両側下腿前面に浮腫を認める。
検査所見:尿所見:タンパク(-),糖(-)。血液所見:赤血球385万,Hb 12.1g/dL,白血球4,600。血清生化学所見:総タンパク6.8g/dL,アルブミン3.3g/dL,クレアチニン0.7mg/dL,総ビリルビン1.2mg/L,AST 48U/L,ALT 56U/L,CK 28U/L(基準10~40)。心エコーの左室長軸断層像(AB)を示す。
この患者でみられる所見はどれか。2つ選べ

正解
d, e
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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