問題番号 : 95H26

本問は,95H25~27の連問の一部です。

38歳の初妊婦。腹部膨満と呼吸困難とを訴えて来院した。
現 病 歴:33歳で結婚。3年間不妊のため検査と治療とを受けていたが,最終的には排卵誘発薬を用いた体外受精・胚移植法によって妊娠した。妊娠6週3日,両側下腹部に軽い痛みがあり,左右の卵巣が鶏卵大に増大しているのを指摘されたが,他に特に異常はなく,外来通院を指示されていた。妊娠7週2日になって腹部膨満と息苦しさとを自覚するようになったので救急来院した。
既 往 歴:特記すべきことはない。
現  症:身長160cm,体重50kg。体温36.7℃。呼吸数28/分。脈拍72/分,整。血圧112/56mmHg。意識は清明。チアノーゼはない。腹部は中等度に膨隆し,下腹部全体に圧痛がある。子宮は鵞卵大で両側卵巣は超鶏卵大に触知する。超音波検査で腹水を認める。
直ちに行うべき処置はどれか。2つ選べ

正解
c, e
国試正答率
90%

Assessment
妊娠7週2日,腹部膨満と呼吸困難,排卵誘発薬を用いた体外

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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