本問は,95H10~12の連問の一部です。
43歳の女性。複視とふらつきとを主訴に来院した。
現 病 歴:20日前から下痢を繰り返していた。10日前から複視が出現し,5日前から歩行時にふらつくようになった。
生 活 歴:食事は不規則で,約5合の日本酒を毎日10年間飲用していた。
現 症:身長155cm,体重54kg。体温36.5℃。脈拍72/分,整。血圧122/74mmHg。ぼんやりしており,見当識障害がある。両眼の外転制限と全方向性の注視眼振とを認める。歩行は失調性である。両下肢遠位に軽度の筋力低下と手袋靴下型の感覚低下とがある。四肢腱反射は消失しているが,病的反射はみられない。
検査所見:血液所見:赤沈15mm/1時間,赤血球350万,Hb 9.7g/dL,Ht 38%,白血球8,600,血小板13万。血清生化学所見:空腹時血糖96mg/dL,総タンパク6.4g/dL,タンパク分画(アルブミン55.7%,α1-グロブリン3.2%,α2-グロブリン7.1%,β-グロブリン10.7%,γ-グロブリン23.3%),尿素窒素7mg/dL,クレアチニン0.4mg/dL,アンモニア45μg/dL(基準18~48),総コレステロール140mg/dL,総ビリルビン1.5mg/dL,AST 96U/L,ALT 82U/L,CK 28U/L(基準10~40),Na 138mEq/L,K 3.5mEq/L,Cl 100mEq/L。脳脊髄液所見:細胞数:3/μL(基準0~2),タンパク60mg/dL(基準15~45),糖66mg/dL(基準50~75)。
この患者で考えられる障害部位はどれか。2つ選べ。