本問は,95H7~9の連問の一部です。
46歳の男性。背部に放散する激しい腹痛を主訴に来院した。
現 病 歴:昨日の夕方に大量飲酒した。夜半から背部に放散する上腹部痛が出現した。今朝から疼痛がさらに増強し,腹部全体に広がり,冷汗も出現した。
既 往 歴:6年前腹部超音波検査で胆石を発見されたが放置している。3年前から高血圧症でカルシウム拮抗薬を投与されている。
嗜 好:32歳時から1日平均約3合の日本酒を毎日飲酒している。
現 症:身長165cm,体重76kg。体温37.8℃。呼吸数34/分。脈拍124/分,整。血圧76/48mmHg。心肺に異常所見はない。腹部では,全体に圧痛を認め,反跳痛も認める。左背部に叩打痛を認める。
検査所見:尿所見:タンパク1+,糖(-)。血液所見:赤血球391万,Hb 12.7g/dL,Ht 38%,白血球11,800。血清生化学所見:血糖215mg/dL,総タンパク6.2g/dL,アルブミン3.3g/dL,尿素窒素50mg/dL,クレアチニン2.0mg/dL,総ビリルビン1.0mg/dL,AST 62U/L,ALT 76U/L,LDH 760U/L(基準176~353),ALP 296U/L(基準260以下),γ-GTP 320U/L(基準8~50),アミラーゼ1,560U/L(基準37~160),Na 133mEq/L,K 5.0mEq/L,Cl 100mEq/L,Ca 7.2mg/dL。CRP 38mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):PaO2 60.7Torr,base excess -5mEq/L。
この患者の病態で誤っているのはどれか。