問題番号 : 95H5

本問は,95H4~6の連問の一部です。

45歳の男性。足のむくみを主訴に来院した。
現 病 歴:約1年前から階段を昇るときに息切れを自覚し,最近労作時の息切れが増悪するようになった。3か月前から下肢のむくみと3kgの体重増加とがみられた。
既 往 歴:23歳時に胸膜炎に罹患したが,2か月の自宅療養で軽快した。
家 族 歴:父親が肺結核。
現  症:身長165cm,体重63kg。体温36.5℃。呼吸数:18/分。脈拍70/分,整。血圧108/52mmHg。頸静脈は怒張し,頸部血管性雑音は聴取しない。胸部では,心尖部に汎収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常はない。両側下腿前面に浮腫を認める。
検査所見:尿所見:タンパク(-),糖(-)。血液所見:赤血球385万,Hb 11.2g/dL,白血球4,100,血小板11万。血清生化学所見:総タンパク6.4g/dL,アルブミン3.1g/dL,クレアチニン0.7mg/dL,総コレステロール172mg/dL,総ビリルビン1.8mg/dL,AST 84U/L,ALT 90U/L,LDH 408U/L(基準176~353)。胸部エックス線正面写真(A)と側面写真(B)とを示す。
この疾患でみられる心臓カテーテル所見はどれか。2つ選べ

正解
b, e
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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