問題番号 : 95G19

72歳の男性。今朝駅の階段を昇っているときに激しい動悸と呼吸困難とが生じ,その後意識消失をきたし救急車で来院した。来院時には意識は回復していた。約3年前から労作時に軽度の動悸と息切れとを自覚していたが,安静によってすぐに症状の軽減がえられるため精査は受けていない。脈拍65/分,整。血圧102/62mmHg。頸部に放散する4/6度の収縮期雑音を第2肋間胸骨左縁から前胸部にかけて広い範囲に聴取する。左室圧〈LVP〉曲線と大動脈圧〈AoP〉曲線との同時記録を示す。
この疾患について正しいのはどれか。3つ選べ

正解
b, d, e
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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