問題番号 : 94F7

41歳の女性。今朝数歩走った後,激しい動悸と呼吸困難とがあり,その後意識消失したので救急車で来院した。到着時には意識は回復していた。チアノーゼを認めない。2年前から胸部圧迫感と息切れとを感じるようになり,徐々に増強してきたが,安静により軽快するため放置していた。脈拍78/分,整。血圧122/80mmHg。胸骨左縁第2肋間にⅡ音の亢進と2/6度の駆出性収縮期雑音とを聴取する。肝を右肋骨弓下に2cm触知する。胸部エックス線写真(A)と心電図(B)とを示す。
この疾患について正しいのはどれか。2つ選べ

正解
c, d
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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