問題番号 : 94F4

58歳の女性。3日前に子宮体癌の手術を受けた。今朝,術後はじめての歩行時に突然,胸痛と呼吸困難とが生じ,症状の増悪がみられた。身長153cm,体重66kg。呼吸数28/分。脈拍105/分,整。血圧102/62mmHg。意識は清明。血液所見:赤血球390万,Hb 10.2g/dL,白血球11,300。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.52,PaO2 58.0Torr,PaCO2 30.0Torr。肺動脈ディジタルサブトラクション血管造影〈DSA〉写真(A,B)を示す。
適切な処置はどれか。2つ選べ

正解
b, c
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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