問題番号 : 93D28

53歳の女性。15年前から糖尿病の治療中であるが,2週前から体重増加と浮腫とを認めている。昨夜から尿量が減少し,臥位時の呼吸困難が増悪して来院した。血圧180/110mmHg。心拡大と左側胸部での呼吸音減弱とを認める。上肢に羽ばたき振戦を認める。血液所見:赤血球354万,Hb 10.2g/dL。血清生化学所見:空腹時血糖132mg/dL,アルブミン3.0g/dL,クレアチニン8.2mg/dL,Na 138mEq/L,K 5.3mEq/L,Cl 108mEq/L。
直ちに行うべき治療はどれか。

正解
a
国試正答率
90%

Assessment
慢性腎不全の濾過障害により,クレアチニン8.2mg/dL

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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