問題番号 : 91C11

本問は,91C11~12の連問の一部です。

52歳の女性。呼吸困難を主訴として来院した。
現 病 歴:1か月前から咳嗽が出現した。1週前から労作時の息切れを感じるようになり,次第に増強し,昨日から発熱がみられたため来院した。
既 往 歴:特記すべきことはない。
現  症:身長154cm,体重48kg。体温37.8℃。呼吸数24/分。脈拍86/分,整。血圧108/66mmHg。意識は清明。表在リンパ節は触知しない。心雑音はない。呼吸音は両側下肺野に捻髪音を聴取する。肝,脾は触知しない。
検査所見:血液所見:赤血球420万,Ht 36%,白血球8,600(桿状核好中球12%,分葉核好中球58%,好酸球2%,単球4%,リンパ球16%,異常リンパ球8%),血小板15万。血清生化学所見:総タンパク6.5g/dL,尿素窒素18mg/dL,クレアチニン1.0mg/dL,AST 34U/L,ALT 30U/L,LDH 620U/L(基準176~353),Ca 12.0mg/dL。CRP 8.2mg/dL,HTLV-1抗体陽性。ツベルクリン反応陰性。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.45,PaO2 52Torr,PaCO2 35Torr。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本(A)と胸部エックス線写真(B)とを別に示す。
肺病変の診断に有用なのはどれか。2つ選べ

正解
d, e
国試正答率
30%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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