本問は,91C9~10の連問の一部です。
36歳の1回経産婦。近医で妊婦健康診査を受けていたが,反復する尿糖陽性のため来院した。
既往歴・家族歴:特記すべきことはない。
月 経 歴:初経13歳。周期は28~40日で不順。持続は5日間。
妊娠・分娩歴:5年前,妊娠40週で3,800gの男児を出産。
現 病 歴:無月経を主訴として近医を受診し,超音波検査で妊娠8週相当と診断され,以後定期的に妊婦健康診査を受けていた。妊娠20週ころから体重の増加が著明となり,妊娠24週には妊娠前より10kgの増加となった。尿糖は反復して陽性となり,妊娠26週に精密検査のため入院した。
入院時所見:身長158cm,体重74kg(非妊時より12kgの増加)。子宮底長30cm,腹囲90cm。下腿浮腫なし。血圧120/70mmHg。尿所見:タンパク(-),糖1+,ケトン体(-)。血液所見:赤血球370万,Hb 11.0g/dL,Ht 35%,白血球7,000,血小板23万。血液型:A型,Rh(+)。血清生化学所見:総タンパク7.1g/dL,アルブミン4.2g/dL,尿素窒素11mg/dL,クレアチニン0.7mg/dL,尿酸4.4mg/dL,総コレステロール215mg/dL,総ビリルビン0.5mg/dL,Na 137mEq/L,K 3.6mEq/L,Cl 104mEq/L,Ca 9.0mg/dL,Fe 93μg/dL,HbA1c 7.6%(基準4.6~6.2)。75g経口ブドウ糖負荷試験血糖値:空腹時110mg/dL,1時間180mg/dL,2時間150mg/dL。
入院後の経過:食事療法,運動療法およびインスリン療法を行った。妊娠39週で体重78kg。子宮底長38cm,腹囲98cm。児頭大横径9.8cm,児の推定体重4,200g。産科的骨盤エックス線単純撮影で児頭骨盤不均衡は認められない。
分娩時の異常として注意しなければならないのはどれか。2つ選べ。