問題番号 : 91C7

本問は,91C6~8の連問の一部です。

28歳の女性。歯肉出血と皮下出血とを主訴として来院した。
現 病 歴:3年前から寒冷時に手指が蒼白になるのに気付き,2週前から頭痛,全身倦怠感,労作時心悸亢進および呼吸促迫を認めるようになった。その後,下肢の紫斑と歯肉出血とを認めるようになったため来院し,著明な貧血を指摘されて入院した。常用薬はない。
既 往 歴:特記すべきことはない。
現  症:身長160cm,体重55kg。体温37.4℃。脈拍98/分,整。血圧118/70mmHg。皮膚は蒼白で下肢に点状出血を認める。眼瞼結膜に貧血を認め,眼球結膜に軽度の黄疸を認める。歯肉出血と口腔内潰瘍とを認めるが,鼻出血はなくリンパ節は触れない。心尖部に収縮期雑音を聴取する。肺野に異常を認めない。腹部は平坦で肝,脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:タンパク1+,糖(-),ウロビリノゲン1+。血液所見:赤血球185万,Hb 6.4g/dL,Ht 18%,網赤血球52‰,白血球2,700,血小板2万。出血時間20分(基準1~3),PT 11.2秒(基準対照11.3),APTT 33.0秒(基準対照32.2),血漿フィブリノゲン280mg/dL(基準200~400)。
血清生化学所見:総タンパク7.4g/dL,アルブミン3.8g/dL,尿素窒素15mg/dL,クレアチニン0.8mg/dL,総コレステロール126mg/dL,総ビリルビン2.0mg/dL,間接ビリルビン1.5mg/dL,AST 32U/L,ALT 18U/L,LDH 880U/L(基準176~353),Fe 90μg/dL。CRP 0.8mg/dL,抗核抗体陽性,抗Sm抗体陽性。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(AB)を別に示す。
予想される検査所見はどれか。2つ選べ

正解
a, b
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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