問題番号 : 90E22

55歳の女性。10日前から歩行時に動悸と呼吸困難とを自覚するようになった。一昨日から悪心があり,時々嘔吐と左胸痛とがみられた。今朝からこれらの症状が増悪するとともに急に顔面が蒼白となったため救急車で来院した。体温37.5℃。呼吸数35/分。脈拍100/分,整。血圧92/44mmHg。顔面は蒼白で軽度浮腫状。皮膚および可視粘膜の貧血著明。眼球結膜に黄疸を認める。心尖部と第2肋間胸骨左縁に収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。脾を左肋骨弓下に3cm触知する。下腿に軽度の浮腫を認める。尿所見:淡褐色,タンパク1+,ウロビリノゲン2+,沈渣に赤血球0~1/1視野,白血球7~10/1視野を認める。赤血球80万,Hb 3.3g/dL,網赤血球38‰,白血球10,500(好中性骨髄球1%,好中性後骨髄球1%,好中性桿状核球30%,好中性分葉核球46%,好酸球1%,好塩基球2%,単球5%,リンパ球14%),血小板34万,赤芽球12/200白血球。血清生化学所見:総タンパク6.1g/dL,尿素窒素26mg/dL,総ビリルビン3.1mg/dL,直接ビリルビン0.6mg/dL,AST 80U/L,ALT 15U/L,LDH 1,000U/L(正常176~353),ALP 250U/L(正常260以下),Fe 390μg/dL。
予想される検査結果はどれか。3つ選べ

正解
a, c, e
国試正答率
90%

Assessment
中年の女性で,急激に進行する高度の貧血症状(Hb 3.3

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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