本問は,90C6~7の連問の一部です。
21歳の男性。夜間徘徊がみられるため両親に伴われて来院した。
現 病 歴:半年以上前から大学に通わず,自室に閉じこもりがちな生活が続いていた。3か月程前から独り言を言ったり,意味もなくニヤニヤすることが多くなってきた。両親が受診を勧めても頑として拒否してきた。最近しばしば夜になると制止も聞かずに外出し,両親を困らせていた。
既 往 歴:正常産。2歳のときに熱性けいれんがあったが,以後はけいれん発作は認められていない。薬物乱用の既往はない。
生 活 歴:おとなしく目立たない子供だったが,友達付き合いは普通にしていた。希望した高校の受験に失敗してから交友関係が少なくなった。2年目の受験で大学に進学した。性格は真面目だが,頑固なところがある。
現 症:身長176cm,体重60kg。血圧120/70mmHg。神経学的異常所見は認めない。見当識は保たれている。表情は硬く警戒的である。質問にはぶっきらぼうに答える。急に話が途切れたり,会話中に意味不明なことをぶつぶつと言う。夜間に徘徊する理由を尋ねると,「友達が近くに来ているような気がしたから」と言う。入院治療を勧めると,「俺は病気ではない」と興奮し,部屋を出ようとした。両親は入院させることを希望している。
この患者の精神保健福祉法に基づく入院形態はどれか。