問題番号 : 89D14

82歳の女性。2~3日前から腹痛と発熱とがあり,急にぐったりしてきたので緊急入院した。意識混濁,呼びかけには開眼する。腹部膨隆,グル音は聴取しない。皮膚は湿潤,点状出血斑を認める。四肢は温かい。体温38.6℃。呼吸数24/分。脈拍106/分,整。血圧98/72mmHg。赤血球320万,Hb 11.2g/dL,白血球16,200,血小板4万。腹部エックス線単純写真で腹腔内遊離ガス像を認め,消化管穿孔を疑って緊急手術が行われることとなり,Swan-Ganzカテーテルを挿入した。
予想される所見はどれか。

正解
b
国試正答率
60%

Assessment
急に意識障害を発症し,脈拍数上昇,血圧の低下を認めている

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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