本問は,89C8~10の連問の一部です。
45歳の女性。頭重感と視力低下とを訴えて来院した。
現 病 歴:30歳で第1子,32歳で第2子を出産した。妊娠,分娩および産褥期には異常がなかった。35歳ころから月経不順となり,次いで無月経となった。37歳ころから手足が太くなり,それまでの靴や指輪が合わなくなり,友人に顔貌が変わったと言われるようになった。40歳ころから両眼の視力低下に気付いた。同じころに高血圧と高血糖とを指摘されたが,治療は受けなかった。最近,疲れやすく,頭重感が著しい。
既 往 歴:20歳のとき虫垂炎の手術を受けた。
家 族 歴:特記すべきことはない。
現 症:身長152cm,体重61kg。脈拍68/分,整。血圧168/96mmHg。意識は清明。鼻・口唇の肥大,下顎の突出および手指の肥大を認める。打聴診上,心肺に異常はない。腹部所見は正常。眼瞼下垂はない。両眼の視野(A)を別に示す。視力は右0.8(矯正不能),左0.9(矯正不能)。眼底所見で両側視神経乳頭萎縮を認める。深部腱反射は正常,表在感覚障害はない。頭部造影MRI,T1強調画像の矢状断(B)を示す。
この患者の神経学的所見から最も考えられるのはどれか。