本問は,89C6~7の連問の一部です。
32歳の女性。3回経妊,3回経産。下腹部の膨満感を主訴として来院した。
現 病 歴:約3か月前から下腹部に軽度の膨満感を自覚していたが,次第にその程度が増強している。この間に体重は約1kg増加した。食欲は中等。睡眠良好。便通に変化はない。
既往歴・家族歴:特記すべきことはない。
月 経 歴:初経13歳。周期は28日型,整。経血量中等。月経時随伴症状はない。
現 症:身長152cm,体重55kg。体温37.0℃。脈拍82/分,整。血圧138/88mmHg。表在リンパ節は触れない。打聴診で心肺に異常はない。腹部は全体に軽度膨隆し,恥骨上部に弾性軟の腫瘤を触れる。
内診所見:子宮は前傾前屈,鶏卵大,硬度正常。両側の付属器に手拳大の腫瘤を触知し,少量の腹水貯留を認める。
検査所見:尿所見:タンパク(-),糖(-)。血液所見:赤血球403万,Hb 11.9g/dL,Ht 36%,白血球8,800,血小板31万。血清生化学所見:総タンパク5.6g/dL,尿素窒素6.0mg/dL,AST 14U/L,ALT 4U/L。AFP 18ng/mL(正常20以下),CEA 6.0ng/dL(正常3以下),CA125 70U/mL(正常35以下),SCC 0.8ng/mL(正常1.0以下)。
摘出卵巣の肉眼写真(A)とH-E染色組織標本(B)とを別に示す。
考えられるのはどれか。