問題番号 : 88D22

5か月の乳児。5日前から鼻水と咳とが続いていたが,発熱はなく,元気もよかった。昨日夕方から咳がひどくなり,呼吸がゼーゼーと苦しそうになってきたので来院した。呼吸数56/分。体温37.2℃。呼吸困難があり,口唇に軽度のチアノーゼを認める。胸部聴診で,呼気の延長,喘鳴およびわずかに断続性ラ音を聴取する。白血球8,700。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.35,PaO2 45 Torr,PaCO2 48Torr。CRP 0.9mg/dL。胸部エックス線写真を示す。
原因として最も考えられるのはどれか。

正解
b
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

選択肢考察
×a

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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