問題番号 : 88C19

本問は,88C18~19の連問の一部です。

62歳の男性。自転車を運転していて電柱に衝突し,約10分後に救急車で来院した。
既 往 歴:特記すべきことはない。
入院時現症:身長175cm,体重70kg。体温36.6℃。意識は清明であるが,受傷前後のことは記憶していない。顔面は蒼白で苦悶状を呈し,呼吸困難と胸内苦悶とを訴える。呼吸数30/分,努力性。脈拍110/分。血圧98/84mmHg。側頸部の静脈怒張を認める。皮膚は湿潤で手足に冷感がある。体表面に明らかな創傷はない。瞳孔は左右とも径3mm,対光反射は正常。眼球運動は正常。打診では左胸部が鼓音を呈し,聴診では左肺野の呼吸音が右より弱い。腱反射は正常。顔面ならびに四肢の運動・感覚異常は認めない。
続いて血圧をモニターするために橈骨動脈内に留置針を挿入した。動脈圧波形と同時に記録した心電図とを示す。
直ちに必要な検査はどれか。

正解
a
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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