本問は,88C16~17の連問の一部です。
56歳の男性。食欲不振と腹部膨満とを主訴として来院した。
現 病 歴:約5年前から慢性肝疾患として不定期に通院していた。軽度の全身倦怠感があった。1か月前から特に誘因なく主訴が出現し,次第に増強してきた。
既 往 歴:32歳のとき肺結核で右胸郭成形術を施行され,その際輸血を受けた。
現 症:身長170cm,体重56kg。栄養不良。意識清明にみえるが3ケタの数字の逆唱が軽度に障害されている。腹部は膨隆し,下腿に軽度の浮腫がみられる。肝,脾を触知しない。手掌紅斑(+)。くも状血管腫(+)。羽ばたき振戦(-)。
検査所見:血液所見:赤血球340万,Hb 11.0g/dL,白血球3,200,血小板6万。血清生化学所見:総タンパク6.5g/dL,アルブミン2.5g/dL,総ビリルビン2.5mg/dL,Na 136mEq/L,K 3.4mEq/L,Cl 104mEq/L,アンモニア156μg/dL(基準18~48),α-フェトプロテイン43ng/mL(基準20以下)。Fisher比の低下がみられる。腹部超音波断層写真を示す。
腹部超音波断層写真について正しいのはどれか。2つ選べ。