問題番号 : 87D30

26歳の女性。8年前から階段を上がるときに息切れ,動悸を自覚し,3年前から上腹部に膨満感,下腿に浮腫が出現した。2年前にチアノーゼを指摘され,最近,呼吸困難が増強してきたので来院した。呼吸数21/分。脈拍88/分,整。血圧108/76mmHg。胸骨左縁に拍動を認める。聴診で胸骨左縁第2肋間にⅡ音の亢進が認められる。心雑音は聴取されない。心エコー図を示す。
考えられるのはどれか。

正解
d
国試正答率
60%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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