本問は,87C15~16の連問の一部です。
60歳の男性。発熱,全身倦怠感,食欲不振および悪寒を訴えて来院した。
現 病 歴:約2か月前から微熱,全身倦怠感および食欲不振があったが,5日前から39℃ の発熱を認め,悪寒も感じるようになった。約2か月半前に抜歯を受けた。
既 往 歴:幼児期から心雑音を指摘されていた。
家 族 歴:父方の叔父に糖尿病。
現 症:身長170cm,体重60kg。体温38.6℃。脈拍98/分,整。血圧110/70mmHg。顔面は蒼白で汗ばんでいる。眼瞼結膜に軽度の貧血を認めるが,黄疸はない。胸骨左縁第4肋間に5/6度の粗い収縮期雑音を聴取し,振戦を触れる。肝を右肋骨弓下に2cm触知し,圧痛がある。脾を左肋骨弓下に1.5cm触知する。下腿に軽度の浮腫を認める。
検査所見:赤血球320万,Hb 10.1g/dL,白血球24,000(好中性桿状核球26%,好中性分葉核球46%,好酸球2%,好塩基球1%,単球4%,リンパ球21%)。血清生化学所見:総タンパク7.0g/dL,アルブミン2.8g/dL,尿素窒素19mg/dL,クレアチニン1.2mg/dL,AST 42U/L,ALT 39U/L,ALP 12U/L(正常2~10)。赤沈55mm/1時間,CRP 3+。3年前に記録されたカラーDoppler心エコー図(A)と今回受診時の心エコー図(B)とを別に示す。
カラーDoppler心エコー図から考えられるのはどれか。