問題番号 : 87C13

本問は,87C12~14の連問の一部です。

56歳の女性。全身倦怠感と上肢の痛みとを主訴として来院した。
現 病 歴:1年前から口渇と夜間頻尿とがあり,半年前から下肢の筋力が低下し,階段の昇降に苦労している。このころから便通は3日に1度となった。3か月前から上肢の痛みが生じ,1週前から悪心と全身倦怠感とが続くため来院した。
既 往 歴:5年前に右側,2年前に左側の腎盂切石術を受けた。
家 族 歴:父が胃癌により65歳で死亡。他に特記すべきことはない。
現  症:身長152cm,体重44kg。体温36.2℃。脈拍94/分,整。血圧138/96mmHg。皮膚と口腔粘膜とが乾燥している。眼瞼結膜に貧血を認めず,聴診で心肺に異常はない。頸部に腫瘤を触れず,腹部は平坦,軟。肝,脾の腫大もない。両側上腕に自発痛を認めるが,腫脹や発赤はない。両側下肢の筋力が軽度に低下している。深部腱反射は正常で,病的反射はみられない。
検査所見:尿所見:タンパク(-),糖(-)。血液所見:赤血球420万,Hb 10.5g/dL,白血球6,700。血清生化学所見:総タンパク7.2g/dL,アルブミン4.2g/dL,尿素窒素22mg/dL,クレアチニン1.2mg/dL,尿酸5.6mg/dL,AST 38U/L,ALT 20U/L,ALP 1,200U/L(基準260以下),Na 144mEq/L,K 4.0mEq/L,Cl 110mEq/L,Ca 14.2mg/dL,P 2.7mg/dL。手と上腕とのエックス線単純写真(AB)を示す。
診断を確かめるのに必要な検査はどれか。3つ選べ

正解
a, b, d
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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