問題番号 : 86E5

56歳の男性。1か月前から労作時に胸部絞扼感を生じ,徐々に発作回数が増加し,持続時間も長くなってきた。昨夜11時に激しい胸痛を生じ冷汗を伴った。一晩,我慢していたが,朝になっても胸痛が持続するので午前9時に来院した。1年前の心電図(A)と来院時の心電図(B)とを示す。来院時の血清生化学所見:AST 106U/L,CK 462mU/mL(基準10~140)。
来院時の診断はどれか。

正解
e
国試正答率
30%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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