本問は,86C14~15の連問の一部です。
40歳の女性。下腹部膨満感と全身倦怠感とを主訴として来院した。
現 病 歴:初経12歳,月経は28日型で整順であったが,6か月前から不順になった。3か月前から体重は5kg減少した。
既往歴・家族歴:特記すべきことはない。
現 症:身長160cm,体重44kg。体温36.4℃。脈拍138/分,整。血圧138/92mmHg。眼瞼結膜はやや貧血状。
内診所見:子宮は前傾前屈。子宮後壁およびDouglas窩に癒着する小児頭大の腫瘤を触知するが,圧痛はない。
検査所見:尿所見:タンパク(-),糖(-)。便潜血(-)。赤血球340万,Hb 10.9g/dL,Ht 32%,白血球8,000,血小板25万。血清生化学所見:総タンパク5.8g/dL,尿素窒素12mg/dL,AST 15U/L,ALT 14U/L,CA125 147U/mL(基準35以下),CA19-9 57U/mL(基準37以下),CEA 0.2ng/mL(基準3以下),α-フェトプロテイン16ng/mL(基準20以下)。術前の骨盤部エックス線造影CT(A)と摘出腫瘍のH-E染色標本(B,C)とを別に示す。
この腫瘍の病理診断はどれか。