問題番号 : 85E5
3歳の男児。約40mの歩行で多呼吸となり,しゃがみ込む程度の身体活動能力の低下を主訴として来院した。第3肋間胸骨左縁に3/6度の収縮期駆出性雑音を聴取する。血液学的検査:赤血球580万,Hb 17.0g/dL。動脈血ガス分析:PaO2 45Torr,PaCO2 35Torr。心カテーテル検査結果を下に示す。入院時の心電図(A)と右室造影写真(B,C)とを示す。診断はどれか。
画像診断:上画像参照。Assessment:
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。