本問は,85C4~6の連問の一部です。
7歳の女児。持続する発熱を主訴として来院した。
現 病 歴:10日前に38℃ 台の発熱があり,同時に紅色,斑状の発疹が主として軀幹に散在性に出現した。近医にて,蕁麻疹らしいと診断され投薬を受けた。発疹はその後出没していたが,3日ほどで消失した。しかし,37~39℃ の発熱は持続し,膝や足の関節を痛がることがあった。この間,咳や鼻水が出るなどの症状はなかった。解熱傾向がないので来院した。
既 往 歴:5歳ころから気管支喘息の発作が起こるようになり,現在もその都度治療を受けている。
家 族 歴:父親にアレルギー性鼻炎がある。
現 症:身長121cm,体重23kg,体温38.2℃。血圧122/68mmHg。脈拍102/分,整。全身状態は比較的よい。頸部に径5mmほどのリンパ節を左に2個,右に3個触知するが,圧痛はない。胸部聴診で心尖部に2/6度の収縮期雑音を聴取する。呼吸音は正常で,ラ音はない。腹部触診で肝,脾および異常腫瘤を触れない。
検査所見:赤血球387万,Hb 10.8g/dL,Ht 32%,白血球11,800(桿状核好中球32%,分葉核好中球46%,好酸球2%,単球3%,リンパ球17%),網赤血球10‰,血小板35万。赤沈52mm/1時間,CRP 5+。
3日後,心尖部に3/6度の左方に放散する逆流性収縮期心雑音を聴取するようになり,次の検査所見を得た。血清IgM 82mg/dL(基準60~100),IgG 1,380mg/dL(基準900~1,200),IgA 120mg/dL(基準100~250),ASO 500単位(基準166以下),抗核抗体陰性,リウマトイド因子陰性,血清補体価CH50 36U/mL(基準30~40)。血液培養は陰性であった。
この患児にまず使用すべき薬剤はどれか。2つ選べ。