問題番号 : 84E2

38歳の女性。12年前に職場健診で胸部エックス線写真(間接撮影)の異常所見を指摘されたが,自覚症状がないため精密検査を受けなかった。2年前から咳が出現し,1年前から呼吸困難も出現したため来院した。呼吸数24/分。胸部聴診で両側胸下部で呼吸音減弱が認められる。ツベルクリン反応3×3mm。動脈血ガス分析:PaO2 64Torr,PaCO2 34Torr。受診時(A)と12年前(B)の胸部エックス線写真を示す。
予想される検査所見はどれか。3つ選べ

正解
b, d, e
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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