問題番号 : 81D20

56歳の男性。2週前から37.4℃ の発熱,左胸痛および呼吸困難を訴えて来院。脈拍84/分,呼吸数24/分,血圧150/82mmHg。坐位での胸部診察所見:左後腋窩線で濁音界が最も高く,背部では濁音界の上に鼓音帯がある。濁音が認められる領域で,声音振盪〈vocal fremitus〉と肺胞呼吸音とは減弱している。
病態はどれか。

正解
d
国試正答率
90%

Assessment
2週前からの発熱,左胸痛,呼吸困難で発症しており,濁音と

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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