問題番号 : 80D21

74歳の女性。5年前から咳嗽と喀痰とが続き,半年前から労作時の息切れも加わった。3か月前からこれらの症状が増強し,1週前からは37.5℃ の発熱と1日量25mL程度の膿性痰が加わったので入院した。白血球12,100(好酸球2%,好塩基球1%,好中性桿状核球9%,好中性分葉核球68%,単球4%,リンパ球16%)。赤沈103mm/1時間。CRP4+。病巣局所からの採痰でインフルエンザ桿菌を106/mL検出し,この桿菌はβ-ラクタマーゼ非産生性であった。胸部エックス線写真を示す。
直ちに行う適切な治療はどれか。2つ選べ

正解
b, e
国試正答率
60%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る