1か月の男児。正常分娩で,出生時体重は2,950g。出生直後から哺乳力が弱く,下痢を反復していた。生後15日から口腔内に難治性の白斑ができ,嗄声と咳嗽が激しくなってきたので入院した。この間チアノーゼおよびけいれんはない。体温36.5℃,脈拍110/分,呼吸数50/分,栄養不良。口腔内に広汎な鵞口瘡を認める。心音に異常はない。左前胸部で乾性ラ音を聴取する。肝・脾腫はなく,全身の表在性リンパ節は触れず,外表奇形はない。赤血球382万,白血球7,000(桿状核好中球7%,分葉核好中球55%,リンパ球23%,単球13%,好酸球2%),血小板21万,赤沈37mm/1時間,CRP 3+,血清総タンパク:5.8g/dL(アルブミン58.7%,α1-グロブリン5.7%,α2-グロブリン18.6%,β-グロブリン9.3%,γ-グロブリン7.7%)。血清免疫グロブリン値:IgG 450mg/dL,IgM 5mg/dL,IgA 0。細胞性免疫能は各検査とも高度の障害を示す。胸部エックス線写真で胸腺陰影がみられない。
この疾患について正しいのはどれか。2つ選べ。