問題番号 : 119F63

本問は,119F63~65の連問の一部です。

64歳の女性。嘔吐を主訴に来院した。
現病歴:今朝,悪心で目が覚め,黒色物を嘔吐したため,夫とともに受診した。
既往歴:40歳時に胆嚢炎で手術。Parkinson病でレボドパ〈L-dopa〉を内服している。2週間前に生じた右大腿部痛で,NSAIDを内服している。52歳で閉経。
生活歴:夫と2人暮らし。喫煙歴と飲酒歴はない。
家族歴:母がうつ病にて投薬治療中。
現 症:意識は清明。身長160cm,体重48kg。体温36.4℃。脈拍108/分,整。血圧108/60 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 97%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で右季肋部に小手術痕を認める。腸雑音は亢進している。上腹部正中に軽度の圧痛を認める。肝・脾を触知しない。
検査所見:血液所見:赤血球385万,Hb 11.7g/dL,Ht 35%,白血球8,500,血小板22万,PT-INR 1.1(基準0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白6.2g/dL,アルブミン3.8g/dL,総ビリルビン1.0mg/dL,AST 28U/L,ALT 23U/L,LD 214U/L(基準124~222),ALP 41U/L(基準38~113),γ-GT 10U/L(基準9~32),CK 83U/L(基準41~153),尿素窒素25mg/dL,クレアチニン0.6mg/dL,尿酸4.6mg/dL,血糖112mg/dL,HbA1c 5.8%(基準4.9~6.0),Na 137mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 98mEq/L。
まず行うべき対応はどれか。

正解
a
国試正答率
97%

画像診断
上画像参照。

Assessment

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