問題番号 : 119F56

78歳の女性。左季肋部痛を主訴に来院した。6年前から脾臓原発の悪性リンパ腫に対して薬物による抗癌治療を継続しているが再発を繰り返しており,薬物による抗癌治療を行わない方針となった。1週間前から悪性リンパ腫による癌性疼痛に対してモルヒネの経口投与を開始したが疼痛が強くなり入院した。意識は清明。体温36.8℃。脈拍74/分,整。血圧132/78mmHg。呼吸数14/分。SpO2 96%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟。左季肋下に脾を4cm触知し,圧痛を認める。腹部CTで再発による脾臓の腫大を認めている。入院後,嚥下障害が出現し内服が困難となったためモルヒネ経口投与を中止し,モルヒネ皮下注射を開始した。
 注意すべき症状や徴候はどれか。2つ選べ

正解
b, e
国試正答率
91%

Assessment
①78歳 ⇒ 高齢者
②悪性リンパ腫に対して抗癌治療を継

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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