問題番号 : 119F38

68歳の女性。腹膜炎の手術後でICUに入院中である。3日前に消化管穿孔による急性汎発性腹膜炎で緊急手術が行われた。術後は気管挿管されたままICUに入室し,人工呼吸管理を受けている。本日から呼吸状態が悪化し,気管からピンク色泡沫状の分泌物が吸引された。心拍数90/分,整。血圧124/84mmHg。動脈血ガス分析(FIO2 0.7,呼気終末陽圧〈PEEP〉5cmH2O):pH 7.32,PaCO2 42Torr,PaO2 69Torr,HCO3 23mEq/L。胸部エックス線写真を下に示す。心エコー検査で左室駆出率60%,左室壁運動に異常を認めない。有意な弁膜症を認めない。
 診断はどれか。

正解
e
国試正答率
96%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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