問題番号 : 119E46

本問は,119E45~46の連問の一部です。

32歳の男性。腹痛を主訴に来院した。
現病歴:本日起床時から腹痛が出現した。悪心を伴い朝食を食べられなかった。出社時間となっても症状が改善しないため受診した。
既往歴:小学生時に気管支喘息のため吸入薬を使用していた。
生活歴:広告会社で勤務している。喫煙は10本/日を10年間。飲酒は機会飲酒。4年前に結婚し,妻と1歳の男児の3人暮らし。3年前から猫を2匹飼っている。海外渡航歴はない。
家族歴:父が60歳時に胃癌で手術。母が糖尿病で服薬治療中。
現 症:身長178cm,体重68kg。体温37.3℃。脈拍72/分,整。血圧132/78mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。甲状腺と頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦。腸雑音はやや亢進している。肝・脾を触知しない。腹部正中に軽度の圧痛を認める。下腿に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-),ケトン体1+,潜血(-),沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球488万,Hb 14.6g/dL,Ht 44%,白血球12,300,血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.6g/dL,アルブミン3.9g/dL,総ビリルビン0.9mg/dL,AST 28U/L,ALT 16U/L,LD 177U/L(基準124~222),ALP 83U/L(基準38~113),γ-GT 32U/L(基準13~64),アミラーゼ50U/L(基準44~132),CK 60U/L(基準59~248),尿素窒素19mg/dL,クレアチニン0.9mg/dL,尿酸6.2mg/dL,血糖98mg/dL,Na 134mEq/L,K 4.4mEq/L,Cl 98mEq/L。CRP 1.6mg/dL。
検査結果を説明後に,患者から「幼い子供がいるので,うつる病気かどうか心配です」と発言があった。
外来受診後,自宅で安静にしていたが,夕方になり腹痛が増悪したため再受診した。腹痛の部位が移動し,右下腹部に圧痛を認めた。
この患者に認める可能性の高い所見はどれか。

正解
e
国試正答率
99%

Assessment
①起床時から腹痛と悪心 ⇒ 急性の消化器疾患を疑う。

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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