問題番号 : 119E42

本問は,119E41~42の連問の一部です。

52歳の女性。腹部造影CT検査のために来院した。
現病歴:2週間前の健康診断で実施された腹部超音波検査で肝臓の結節性病変を指摘されたため,精査目的で受診した。医師から造影CT検査について説明を受け,静脈路確保後に腹部造影CT検査が施行された。造影CT検査前の意識は清明で,バイタルサインに異常は認めなかったが,検査を終了してから5分後に息苦しさと気分不快が出現した。
既往歴:脂質異常症で食事療法を行っている。
生活歴:会社で事務職をしている。夫と2人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。ペットは飼育していない。
家族歴:父が肺癌。
現 症:意識レベルはJCSⅡ-10。身長160cm,体重56kg。体温35.0℃。脈拍112/分,整。血圧76/48mmHg。呼吸数28/分。SpO2 96%(room air)。毛細血管再充満時間は3秒である。冷感と皮膚の湿潤を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。顔面に浮腫,胸腹部に発赤と腫脹を認める。心音に異常を認めない。発声は可能であるが,吸気性喘鳴を認める。
経過観察のために入院となったが,症状は消失し,翌日に退院した。入院中に病歴を再度聴取したところ,以前にヨード造影剤を静注した際に気分不快が出現したことが判明した。
この患者における有害事象の再発防止に必要なのはどれか。

正解
e
国試正答率
90%

Assessment
①中年女性で2週間前の健康診断で実施された腹部超音波検査

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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