問題番号 : 119D57

75歳の男性。突然の左下肢の痛みとしびれを主訴に来院した。健康診断で心房細動を指摘されたが医療機関を受診していなかった。意識は清明。脈拍104/分,不整。血圧152/84mmHg。呼吸数16/分。SpO2 95%(room air)。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。左鼠径部,左足背で動脈を触知しない。左下肢に冷感およびチアノーゼを認める。血液所見:赤血球442万,Hb 14.0g/dL,Ht 41%,白血球4,400,血小板26万,Dダイマー8.7μg/mL(基準1.0以下)。FDP 8.0μg/mL(基準10以下)。血液生化学所見:AST 62U/L,ALT 34U/L,LD 254U/L(基準124~222),CK 480U/L(基準59~248),尿素窒素22mg/dL,クレアチニン1.0mg/dL,BNP 134pg/mL(基準18.4以下)。12誘導心電図で心房細動を認める。骨盤動脈のディジタルサブトラクション血管造影〈DSA〉像を下に示す。
 この患者の治療で適切でないのはどれか。

正解
d
国試正答率
84%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る