3歳の男児。低身長を主訴に母親に連れられて来院した。3歳児健康診査で低身長(-3.0SD)を指摘されたため受診した。在胎37週1日,体重2,460g,身長45.0cmで出生した。既往歴に特記すべきことはない。家族の身長は,父親168cm,母親156cm,姉(6歳)110cm。本人は身長82.1cm,体重9.5kg。体温36.5℃。口腔内に異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。血液生化学所見:総蛋白7.3g/dL,アルブミン4.3g/dL,AST 31U/L,ALT 15U/L,LD 221U/L(基準190~365),ALP 450U/L(基準420~1,200),CK 60U/L(基準43~270),尿素窒素12mg/dL,クレアチニン0.3 mg/dL,総コレステロール178mg/dL,トリグリセリド53mg/dL,Na 137mEq/L,K 4.3 mEq/L,Cl 106mEq/L,Ca 9.4mg/dL,P 4.5mg/dL,TSH 2.9μU/mL(基準0.2~4.0),FT3 3.8pg/mL(基準2.3~4.3),FT4 1.0ng/dL(基準0.8~2.2),インスリン様成長因子-Ⅰ〈IGF-Ⅰ〉69ng/mL(基準155~588)。頭部MRIで異常を認めない。成長曲線(A)と,アルギニンによるGH分泌負荷試験の結果(B)とを下に示す。グルカゴンによるGH分泌負荷試験の結果も同様であった。
診断はどれか。