問題番号 : 119D32

18歳の男子。前胸部痛を主訴に来院した。1週間前から胸部圧迫感と息切れが出現し,徐々に増悪したため受診した。臥位になるとさらに悪化する。体温37.5℃。脈拍88/分,整。血圧110/72mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。両側の胸部で呼吸音の減弱を認める。血液所見:赤血球502万,Hb 15.2g/dL,Ht 45%,白血球9,800,血小板26万。血液生化学所見:総ビリルビン0.6mg/dL,AST 42U/L,ALT 9U/L,LD 768U/L(基準124~222),CEA 1.6ng/mL(基準5以下),CA19-9 49U/mL(基準37以下),α-フェトプロテイン〈AFP〉200ng/mL(基準20以下),hCG 82.6mIU/mL(基準0.7以下)。免疫血清学所見:CRP 4.8mg/dL,抗アセチルコリン受容体抗体0.1nmol/L(基準0.2以下)。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT冠状断像(B)を下に示す。
 診断はどれか。

正解
c
国試正答率
99%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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