問題番号 : 119D30

60歳の男性。腹痛と動悸を主訴に来院した。4週間前に早期胃癌で腹腔鏡下胃全摘術を受けた。術後に経口摂取が開始となり,少しずつ食欲も増して食事量も多くなってきた。1週間前から,食後5~10分で,腹痛,下痢,めまい,顔面紅潮および動悸が出現するようになった。しばらく横になると症状は軽快するが心配になり受診した。身長170cm,体重50kg。体温36.4℃。脈拍64/分,整。血圧118/62mmHg。呼吸数12/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,圧痛を認めない。4か所の手術痕を認める。血液所見:赤血球460万,Hb 13.7g/dL,Ht 42%,白血球8,200,血小板18万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL,アルブミン4.2g/dL,総ビリルビン0.6mg/dL,AST 20U/L,ALT 22U/L,LD 140U/L(基準124~222),ALP 80U/L(基準38~113),γ-GT 40U/L(基準13~64),アミラーゼ48 U/L(基準44~132),尿素窒素12mg/dL,クレアチニン0.8mg/dL,血糖88mg/dL,HbA1c 5.0%(基準4.9~6.0)。CRP 0.1mg/dL。
 最も考えられるのはどれか。

正解
e
国試正答率
100%

Assessment
①4週間前に腹腔鏡下胃全摘術 ⇒ 胃切除後症候群の可能性

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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