問題番号 : 119D21
69歳の男性。生来右利き。立てないことを主訴に救急車で搬入された。今朝トイレで立ち上がれなくなったため,家族が救急車を要請した。40歳台から高血圧症で,降圧薬を服用中である。来院時の意識レベルはJCSⅠ-1。身長172cm,体重67kg。体温36.6℃。心拍数84/分,整。血圧180/92mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。頭部単純CT水平断像(A)と冠状断像(B)とを下に示す。 この患者で認めるのはどれか。
画像診断:上画像参照。Assessment:
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。