問題番号 : 119C74

73歳の男性。咳嗽と呼吸困難を主訴に来院した。6か月前から労作時の息切れと咳嗽が出現し,徐々に増悪していた。喫煙歴はない。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は両側肺下部にfine cracklesを聴取する。胸部エックス線写真で線状網状影を認めた。
動脈血ガス分析(room air)の結果を示す。
pH 7.46,PaCO2 38Torr,PaO2 68Torr,HCO3 25mEq/L
肺胞気-動脈血酸素分圧較差〈A-aDO2〉を求めよ。
ただし,大気圧は767Torr,37℃での飽和水蒸気圧は47Torr,呼吸商は0.8とする。
また,小数点以下の数値が得られた場合には,小数第1位を四捨五入すること(単位:Torr)。

正解
36
国試正答率
93%

Assessment
①73歳の男性
②咳嗽と呼吸困難 ⇒ 呼吸器疾患
③6か

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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