問題番号 : 119C72

本問は,119C71~73の連問の一部です。

85歳の女性。悪心を主訴に来院した。
現病歴:3日前から悪心があり,症状が悪化したため息子に付き添われて来院した。自宅近くの診療所にて,10年前から脂質異常症の治療で①スタチンを服用していた。また,同時期から便秘症のため②酸化マグネシウムを服用していた。息子によると,最近は特に便が硬く③市販の下剤を追加で服用していたという。診療所での④最後の血液検査は1年前である。70歳過ぎから⑤「腎臓の数値が高め」と言われていたという。
既往歴:75歳時から脂質異常症と便秘のため自宅近くの診療所に通院している。
生活歴:息子と2人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴:父は75歳時に脳梗塞で死亡。母は85歳時に老衰で死亡。
現 症:意識は清明であるが受け答えはやや緩慢である。身長151cm,体重35kg。体温36.9℃。脈拍32/分,整。血圧92/50mmHg。呼吸数18/分。SpO2 96%(room air)。皮膚は乾燥しているが,色素沈着は認めない。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。甲状腺腫大を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨満,軟。腸雑音はやや減弱。圧痛はなく,肝・脾を触知しない。四肢末梢は冷たいが,チアノーゼや浮腫を認めない。神経診察で異常を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-),ケトン体(-)。血液所見:赤血球400万,Hb 11.5g/dL,Ht 35%,白血球6,300,血小板25万。血液生化学所見:総蛋白6.1g/dL,アルブミン4.1g/dL,総ビリルビン0.9mg/dL,直接ビリルビン0.2mg/dL,AST 28U/L,ALT 16U/L,LD 147U/L(基準124~222),ALP 46U/L(基準38~113),γ-GT 26U/L(基準9~32),CK 42U/L(基準41~153),尿素窒素38mg/dL,クレアチニン2.4mg/dL,尿酸6.9mg/dL,血糖76mg/dL,総コレステロール182mg/dL,トリグリセリド90mg/dL,Na 141mEq/L,K 4.5mEq/L,Cl 103 mEq/L,Ca 9.5mg/dL,P 3.5mg/dL。CRP 0.9mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.38,PaCO2 42Torr,PaO2 92Torr,HCO3 26mEq/L。
追加検査では,血清Mg値が8.5mg/dL(基準1.7~2.2)であった。
次に行うべき検査はどれか。

正解
c
国試正答率
84%

Assessment
①スタチンを服用していた ⇒ 副作用の横紋筋融解症に注意

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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